心理学で関係人口創出。
まず、心理学は人の心を扱う科学の一種である。そして、関係人口創出とは、最近の「地方エンパワメント(地方の活力をあげる、地方の地方内循環を生み出す)」で注目されているもので、移住未満・旅行以上である関係性をもった人を作ることである。
総務省の「地域おこし協力隊制度」に、それが示されていて、どこから生じた言葉かは分からないけれど、僕の関心の的だ。
まず、心理学と関係人口を繋げる案を示していく。
1. 疲弊とファン化
僕の母が旅行好きという性分なので、僕もそうだ。
自分語りになってしまうけれど、心理学と人口関係創出の1つの案のきっかけになるから読んでほしい。
まず、僕は大学3年時、心理学の大学院勉強のため一人暮らしの部屋に籠っていた。コロナの影響で実家にも帰れないし、授業もオンライン。そして、当時は東京で暮らしていたから、心身にかかる外部と内部の圧力で弱っていく。
そんな時、政府が「どんどん旅行してくださいキャンペーン」を打ち出した。それに僕もあやかり、九州のある地へ旅行した。
「あぁ、なんていい景色だろう」
当時、疲弊していた僕の心は、壮大な自然と太陽で照らされている大海岸を山の頂上あたりから眺め、とても感動した。あの心象というのは現在も心に残っていて、その地の「ファン」になってしまったのだ。それ以降も、その土地へ何度も行っているのは驚き。
1-1. ストレスコーピングと関係人口創出
この体験から、強烈なストレスコーピングの体験がファンを生み出すことを学んだ。
ストレスコーピングとは、心理学の言葉で「ストレスの緩和法」ともいえる。ストレスの原因を根本から叩くものと、それができない時に一時しのぎでストレスを溶かす方法に分けられるのだけれど、関係人口創出においては後者が使えそうだ。
現代では、仕事で疲れる・人間関係が疲れる・子育て、勉学、都会暮らしが、、といった悩みが尽きない。こんな疲弊した人たちを、地方に呼び込みストレスコーピングの経験を記憶に染みつかせる。そうなれば、一過性の、旅行者と地方の関係に終わることのない、関係人口創出に繋がる可能性がある。
このような抽象的な仮説であるが、お互いにとって利があると考えれば、「地域おこし協力隊」の活動の中で試してみる価値はある。
2. 「関係人口創出」の違和感
地域おこし協力隊の応募を目指している中で、「関係人口」という言葉に目が留まる。多くの自治体や行政も積極的に使っている。
そのような市町村の活動を見てみて、もう少しこうすればいいのでは?という案があったから紹介する。
それは、「関係人口の想定層を絞る」ことだ。
2-1. 景色・食べ物系は競合が激しい
多くの自治体が最近、力を入れているものに、インターネットを使った地域のPR活動がある。それをきっかけに関係人口創出を目的とした発信もあるかもしれない。
発信は物理的障壁が除かれるし、全国・世界に伝わるのはいいのだけれど、性質をもっと活かせるのでは?と考えている。
例えば、綺麗な景色や~映えする写真・動画を発信することでアピールする場合、競合がとても多い。日本で言えば、沖縄・京都など、地域経済学において「空間の不均一性(観光できる建造物や自然物が豊富)」で有利な土地は多すぎる。さらに、メディアで世界の素晴らしい観光地を何度も目にできる現代、景色とか美味しいもので勝負しても疲弊するかなと思う。
そこで、僕が提案したいのは、「関係人口を創出したい層を絞り、その土地に独自の価値を付与していく」という提案で、元の話に戻る。
3. 仮説
話を戻すが、僕は大学で学んできた心理学を活かして地方エンパワメントを目指す。
まずは、その土地の障がいを抱えた方や不登校の子どもの「得意」を見つけられるように、その土地にある既存のイベントに繋げたり、自分が開催するイベントに呼ぶことで、現代の画一化された教育では本人や家族でさえも見えていない「得意」を見つける事例を、1つでも生み出せたら成功である。
それらを個人情報に配慮しながら発信することで、「あの市町村は、私と似たような子ども・大人が住みやすいんだ。興味がある」と、徐々にミクロの中で輪が広がる。
母集団の少ない層にアプローチしていくことは大切で、歴史が物語るように、ミクロからマクロは変わる。
また、先ほどの強烈なストレスコーピングの体験は興味深く、自分が働く土地とそこにあるものを生物的欲求として求めている人を繋げる試みもしていく(関係人口の想定層を絞る)。
このように、心理学を活かした活動によって、新たな教育と地域おこし・地方エンパワメント・心理学の仕事の事例の創出に活かしていく。
