【地域おこし研究】交通減地域における関係人口戦略

「交通の便の多寡」

これはどの地域でも、地域おこしの要素である。その地域が交通の便が多いか少ないかで、関係人口創出にどのような戦略をとればよいか考え方が異なる。

まずは、交通の便が多い地域。平野が広がっており、都市部からのアクセスが良い。このような土地の特性上、都市部の会社から産業を引っ張ってくることもでき、それは都市部から地方に工場をつくる会社にもメリットはある。

一方、交通の便が、そのような地域と比べて交通量が少なく、それ以外の強さを持つ地域、僕が住む洋野町も比較的そうなのだが(地元の方の声を聞いたところ)、そのような地域が交通が多い土地と同じ「企業誘致」の戦略をとっても奏功しない可能性がある。

洋野町のNPO法人の代表者とお話をする機会をいただいた。その話の中で、元は企業誘致を目指していた土地が、企業がこないから太陽光パネルを置いているとのお話を聞いた。

洋野町は三陸道という便利な道があるが、岩手県の内陸に比べると交通の便が少ないという声を聞く。岩手県の内陸には企業誘致を盛んに行って活性化している地域もあり、それに感化された戦略だったのだろうが、結果として、その戦略は合っていなかったらしい。

このような地域において、関係人口創出はどのようにすればよいのだろうか。過去と同じように企業誘致を目指しては、心理学において自分の苦手な特性が際立つ集団にいるとさらに自分の苦手さが際立つように、他地域との差に苦しむだけだ。

そうでなく、もっと自分の特性にあった戦略を持たなければならないというのが僕の思うところ。その手として、「人への愛着を抱かせる」というのが、僕の仮説。

愛着とは、親と子の絆という心理学の用語である。家族だけでなく、友人、パートナー、仕事学校間の相手にも形成される。オキシトシンというホルモンが一役買っており、これが愛着の形成を促す。

愛着が形成されれば、他人と話すよりも安心できるし、それを関係人口創出につなげていきたいところ。

まず、関係人口の定義として、定住未満旅行以上の人のことだ。この定義も良いが、僕は個人で関係人口について定義したい。

それは、「その地域がいきなり消滅したとして、その地域にある人・もの・場所などが一気に消え去ったとき、悲しむ人」と定義する。

まず、この定義で話を進める。定住未満 旅行以上という定義もよいが、さっきの定義だと感情を質問紙で測れば、その人がその地域の関係人口かそうでないかをスクリーニングできる(虚偽回答の可能性もあるが)。

僕はホイップメロンパンが大好きなわけだが、シライシパンの本部がある盛岡市が消滅したら悲しむ。このように、この定義によると、僕は盛岡市の関係人口であることにも気づける。

まず、交通の便が少ない地域において、押し出すべきはそこに何があるかでなく、誰がいるかであると感じる。

宿泊施設にあるパンフレットにはそこに何があるかのものが多いが、もっとどのような経緯で、この地域に根付き、生業をしているのかを知る機会が知れるとよい。

ひろののしおりというサイトでは、洋野町における「人」に焦点を当てているから、人への愛着形成に役立つ。人は進化心理学上、実際に対面で話す相手と、画面上でみる人を区別できないのであり、動画やブログでその土地にいる人への愛着形成を促すことができるからだ。

まず、書くのが疲れてきたからもうやめるけれど、地域おこしにおいて外から内に来た方に対して、その土地にいる人への愛着を促すという活動とコンテンツ作り、事業とは何なのかを模索していく。